

VTI、VTIって言うけど、正直どんなものがわからなくて心配。

(おぶち)
うん、うん。

あやしい金融商品なんじゃないの?

(おぶち)
世界でもっともポピュラーな金融商品だよ。

もうすこしくわしくVTIについて教えて?
というわけで今回は、VTIとは何なのかについて、いま一歩ふみこんでくわしく説明します。
また、VTIが何社(何銘柄)を対象としているのかや、どうしてアメリカの成長とともに値上がりするのかについてお教えします。
実際にVTIの運用会社のサイトなどを見ながら確認していきますね!
目次
VTIをもういちど理解する
まずはじめに、小淵(おぶち)がうったえる「放置型アメリカ株投資」の考えを、逆の視点から見ていきたいと思います。

(おぶち)
アメリカという国は長年、ずっと成長してきている。その恩恵にあずかりたいなあ。

(おぶち)
1社や2社の株を買うだけだと、リスクがあるなあ。
その会社の経営がかたむいたときに自分も含み損をかかえそうだし。

(おぶち)
全部の会社の株を買っておけば、アメリカという国全体の成長とともに自分の株の価値全体もふえそうだ!
分散投資することにもなる!
と、こういう具合に、アメリカ全体に投資したければ、アメリカ全部の会社の株を買う。シンプルですよね。
では、アメリカには上場企業はいくつあるのでしょうか?
※ここでは、上場企業とは「メジャーな証券取引所で取引でき、日本の個人投資家がふつうに売買できる銘柄」ということにします。
アメリカの上場企業の数は約5,500社
約5,500社。それをひとまず答えとしましょう。
2019年10月末時点のニューヨーク証券取引所とナスダック市場の上場企業数はそれぞれ2,356社、3,098社となっており、

5,000社以上の株をぜんぶ買うなんて、そんなお金ないよ。

(おぶち)
そうだね。我が家みたいな普通のサラリーマン家庭ではとうてい手がとどかない。

じゃあどうすればいいの?

(おぶち)
みんなで買うんだよ!

は~?
投資信託――みんなでお金を出しあうシステム
そこで利用するのが投資信託です。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
たくさんの投資家からお金を集めて、大きな金額規模の株を買ったり売ったりする(資産運用をする)。それが投資信託というシステムです。
投資信託の実際の資金運用は、投資信託運用会社がおこないます。
投資信託には(日本では)「~投資信託」や「~ファンド」などという名前がつけられ、証券会社・銀行・郵便局などの販売会社が窓口となって売りに出されます。

私たちが楽天証券のサイトとかで投資信託を買えるのはこういうことなのね。

(おぶち)
そうだよ!
われわれ個人投資家は、それら投資信託を買うことで、そのお金集めに参加するのです。買うことはつまり、投資信託運用会社にお金をあずけて、資産運用をまかせることです。
個人投資家は、運用の結果によって、得をすることもあれば損をすることもあります。
投資信託が、買ったときより値上がりした
→ 投資信託を売却
→ 個人投資家のもうけ
投資信託が、買ったときより値下がりした
→ 投資信託を売却
→ 個人投資家の損
この考えは、株式の個別銘柄の売買でもおなじですね。

わかったわかった! みんなから集めたお金で、アメリカ全部の会社の株を買ってくれる投資信託があるんでしょ? それがVTIなんでしょ?

(おぶち)
ほとんど正解。だけどもう少し説明をつづけさせて。
ETF――もっと買いやすく、売りやすい投資信託
ETFは、Exchange Traded Fundの略で、上場投資信託とよばれます。証券取引所で株のように売買できる投資信託のことです。
投資信託は、通常1日1回だけ、その価格が決まります。株価のように、リアルタイムで刻々と価格が変化しているわけではないのです。
いっぽうETFは、株のように売買できます。(取引所の営業時間中なら)リアルタイムで買ったり売ったりでき、リアルタイムで価格が変化するということです。
VTIは、アメリカの上場企業の多くに投資するETFなんです。

(おぶち)
楽天証券のサイトでは、VTIは「米国株式」のカテゴリで売買できるよ。
アップルやマイクロソフトなんかの個別銘柄とおなじようにね。

そうなんだ。

(おぶち)
VTIの正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」といって、ETFがついてるんだ。
VTIの対象銘柄数は約3,600
では具体的に、VTIは何社(何銘柄)を対象にしているのでしょうか。バンガード社のウェブサイトで確認してみます。
VTIの対象銘柄は、3,551社であることがわかりました。(2020年2月時点)
バンガード社は、VTIとして集めたお金をつかって、この3,551社の株をまんべんなく保有しているんですね。
上場企業約5,500社に対して、VTIは3,551社です。企業数でみると差が大きいようですが、投資金額ベースでみればほんとんど差はないものとみなせます。アメリカの上場企業全体の成長を表すには3,551社でじゅうぶんなんですよ。
※このあたりはもっとよく調べていずれ別の記事でまとめようと思います。
VTIとは何か、をおさらい
さて最後に、今回のポイントをおさらいしておきましょう。
VTIはETFである。(ETFはふつうの株のようにリアルタイムで売買できる投資信託)
VTIは、アメリカの上場企業3,551社を対象に投資している。(=VTIの運用会社であるバンガード社は、投資家から集めたお金で3,551社の株をまんべんなく保有している)
VTIを資産として保有していれば、アメリカ全体の経済成長とともに資産の価値が増減することになる。

なるほどねー。VTIに投資すればアメリカの全部の企業の株主になるのと同じだということがわかった気がする。

(おぶち)
VTIというETFをつうじて、間接的に株主になっているんだね。

じゃあ今度は、年平均利回り10%で成長している根拠を知りたいな。

(おぶち)
オーケー! じゃそれはまた別の記事で!

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