
この記事はすべて筆者の妄想にもとづいており、特定の個人や法人を攻撃する意図はありません。

(おぶち)
現代ポートフォリオ理論とか現代投資理論っていう投資手法が主流なんだけど――

なにそれ?

(おぶち)
株や債券の銘柄を(個人投資家なら投資信託やETFなどで)幅広く保有して、ポートフォリオ全体のリスクとリターンを管理すると効率的だよ。
っていう投資手法のことだよ。

なんか難しそうだね。

(おぶち)
海外株式を30%、海外債権を20%、国内株式を20%、国内債券を10%、現金を10%……て具合に、リスク許容度に合わせて「資産クラスのバランス」を決めて分けて持ちましょう、っていう投資本によく書いてあることがまさにそれだよ。
こちらの記事でも紹介しています。

ふーん。
で、それがどうしたの?

(おぶち)
実際、例えば「海外株式を持とう」となったら、多くの個人投資家は信託報酬の低いインデックスファンドを買うと思うんだよね。

アクティブファンドじゃだめなの?

(おぶち)
だめじゃないよ。
アクティブファンドがいいと思えばそれでいい。

うん。

(おぶち)
で、話は変わるけど、

変わるんだ?

(おぶち)
現代ポートフォリオ理論を調べていたらこんな記事を見つけた。

変わってなくない?

何これ?

(おぶち)
野村證券のサイトの「現代ポートフォリオ理論」の説明。

これがどうしたの?

(おぶち)
最初の2つの段落はよくある現代ポートフォリオ理論の定義なんだけど、注目してもらいたいのは最後の段落。
「ただ同理論は~」以降。どう? 面白くない?

え、ちょっとついていけない。

(おぶち)
この理論には限界がある、って締めくくってて、証券会社の思いがすごくにじみ出てるなあと思って。

どういうこと?

(おぶち)
証券会社は顧客からの手数料収入(信託報酬)が売上の柱だから、現代ポートフォリオ理論を実践しようとする個人投資家がこぞって信託報酬の安い投資信託に飛びついたら困るわけよ。
でも用語集にこの用語をのせないわけにいかない。その苦肉の策がこの最後の段落なのかな、って。
これがあることで、野村證券の営業マンは顧客に「いやいや現代ポートフォリオ理論なんてだめですよ。もっといい資産運用のやり方がありますから」といって、信託報酬のお高い商品を売りつける営業トークがしやすくなる。

めっちゃ早口だね。
それがどうしたの? うちは野村證券から買ってないじゃん。

(おぶち)
そう、我が家はネット証券で自分で銘柄を選んで自分で売買してる。
でも世間には、証券会社や銀行の窓口で、営業マンに投資を任せている人もいる。
前者は比較的信託報酬を安くあげられるけど、後者はそうはいかない。

うん。

(おぶち)
用語集の最後にこんな段落を挿入するということは、証券会社としては必要に迫られてのことだろう。
でも裏を読めば"窓口系"証券会社がいかに高額な信託報酬を取ろうとしているか、というよりそれが彼らの商売の根幹だってことがわかると思うんだよね。

ふーん。

(おぶち)
少なくともこの文章から、「お前ら個人投資家から信託報酬しぼりとってやるぞー」っていうメッセージが聞こえたんだよ。

深読みしすぎでしょ。

(おぶち)
――まあそれは否定しない。
さて、気になって他の"窓口系"証券会社も調べてみました。
大和証券は、とてもあっさりした説明でした。
みずほ証券にはずばり「現代ポートフォリオ理論」のページはありませんでしたが、「平均分散アプローチ」などのページに非常に詳しくて"真面目"な感じの解説が掲載されていました。
大学と共同で用語集を作ったようですね。「営業部の意思」を入れる余地がなかったのかもしれません。
さいごに: 野村證券の用語解説については、その用語のひとつの側面だけでなく、批判的な見方も合わせて掲載することで、より用語を深く理解してもらいたいという意図があることは、私も理解しているつもりです。

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