「配当金を再投資することでしか"複利の力"ははたらかない」というのはよくある勘違いです

2020/06/22

基本中の基本 知識・ノウハウ

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Twitterでこんなことを発言している方がいました。

配当のほとんど無いキャピタルゲイン銘柄では複利の力の恩恵にあずかれない。

※引用元は割愛します

察するに、この方は、

配当金を再投資すれば複利の力がはたらくが、

(配当が出ず)値上がりだけする銘柄では複利の力ははたらかない。

とお思いのようです。

小淵の顔
小淵
(おぶち)

もしかして、このような勘違いをされている方が他にもいるのでは!? と思い、今回この記事をしたためました。

最初に結論をのべます。

"複利の力"は、配当再投資の場合も、値上がりする銘柄を保有し続けている場合でも、どちらにもはたらきます。

投資に慣れている方には、当たり前のことですのでこれ以降お読みになる必要はありません。

もしこの意味がわからなかったり、納得がいかない方は、引き続きぜひ読んでみてください。

これから、たとえ話をします。配当は毎年決まって7%出るが株価の変動がまったくない銘柄Aと、配当はゼロ(無配)だが年平均利回り7%の銘柄Bを例に比較してみます。

銘柄A:配当再投資の考え方

小淵の顔
小淵
(おぶち)

銘柄Aは小淵が担当します。

投資をスタート

あらたに投資を始めた小淵は、100万円を投じて、1株10,000円の銘柄Aを100株購入しました。

※株の単価や数量はこのあとの話では関係ありません。2,000円の株を500株でも同じことです。とにかく100万円使ったことが重要です。

1年後

1年後、配当金が7%相当(7万円)入ったので全額、すぐにその株の追加購入にあてました。

これが配当再投資です。評価額は1,070,000円となりました。

※課税の考えをはぶいています。後ほど説明しますね。

2年後

2年後、また配当金を受け取りました。いくらの金額でしょう?

保有している株の評価額=1,070,000円に対して7%の計算なので、配当金74,900円を入手できました。

※実際は1株あたり◯円という計算で算出されますが、平均的に7%配当されるよと前提を置いているので、その計算ははぶいています。どうしても納得できないなら、1株あたり700円の配当が出たと思って下さい。保有107株✕700円=74,900円です。

そしてすぐに同じ株を追加購入。

評価額は1,144,900円となりました。(1,070,000+74,900)

その後は……?

1,000,000円→1,070,000円→1,144,900円と、毎年7%ずつ増えてきました。それ以降も同様です。電卓や表計算ソフトで「✕1.07」をしていけばいいんです。

配当金を再投資した場合はこのように資産が増えていきます。これが配当再投資による複利の力です。

銘柄B:値上がり益の考え方

妻の顔

銘柄Bは小淵妻が担当します。

投資をスタート

小淵の妻は、銘柄Bを100万円分購入しました。

ここまでは先程と同じです。

1年後

1年後、株価が7%上がっていました。配当金は出ません。

評価額は1,070,000円となりました。

POINT!

売りも買いもしません。投資行動はなにもありません。

2年後

2年後、さらに株価が7%上がりました

1,070,000円からの値上がりなので、1,144,900円になりました。(1,070,000✕107%)

POINT!

ここでも売買は何もしていません。最初に株を買ったときからずっと、証券口座に保有しているだけです。

その後は……?

1,000,000円→1,070,000円→1,144,900円と、毎年7%ずつ増えてきました。それ以降も同様です。電卓や表計算ソフトで「✕1.07」をしていけばいいんです。

結果としては、配当再投資した場合とまったく同じです。

これが値上がり益の複利です。

元金1,000,000に対して7%が入ってくる=毎年70,000円ずつ増えるのが単利複利は、7%が加算された金額に対してさらに7%が上乗せされるものです。

値上がり益においては、何も手を動かさない(投資行動をしない)ので複利が効いているイメージがつきづらいかもしれません。

ですが、毎年1回帳簿を締めて有価証券評価益のようなものを計上すると考えれば、ちゃんと複利の力がはたらいていることがわかると思います。

評価額の推移比較

ここまで理解できれば、もうこの先は読む必要はありません。

これから銘柄AとBそれぞれの、20年間の評価額(想定)を掲載します。

そしてもう一歩踏み込んで、売却益や配当金を受けるときに納める税金を差し引いた場合の手元に残る金額の違いを見てみます。

Modify

表の中の数字に誤りがありましたので、2020/07/13、2つの表を一部修正しました。申し訳ありません。結論に変化はありません。

評価額の推移比較(課税加味せず)

すばりこちらのとおりです。前年の評価額に1.07を掛け算しただけだとわかると思います。

評価額の推移比較(課税加味後)

NISA口座でなければ、実際には配当金と売却益から税金が引かれ、入手できる金額が目減りします。

それを表したのがこちらの表です。

※税率を20%として計算しています。実際は20.315%です。

1年後、配当金は70,000円入ってくるはずですが、実際には約20%課税されて約56,000円しか手元に来ません

そのため表の「銘柄A 1年後」のところが1,056,000円になっています。

また、極端ですが最終的に全部売却して現金化するとした場合も、売却時に同様に課税されます。そのときの銘柄AとBの差は71.7万円程度になります。

配当を都度都度受け取ることで納税分が差し引かれます。その分が本来享受できるはずだった"複利の力"を少しずつ失っているとみなせます。投資は、お金をできるだけ長い期間、市場にさらしておくことが大事だと私は思います。

どんな投資方法を選ぶかは自分次第

どちらの投資方法をとるかは、みなさん次第です。小淵がこういったからこうしなければいけないということはありません。

ただ、やみくもに「配当銘柄を持たなきゃ」と思っている方がもしいたら、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

配当も永久に出続ける保証はありませんし(実際コロナショックでは減配・無配化が続出しました)、値動きも実際は毎年定率で増えていくのではなく、日々乱高下しています。

私は、全米株式インデックス(VTI)にすべてをかけています。分配金(ETFの配当金)が若干出ますが、それよりも長期的な値上がりを期待しているからです。

VTIは、2001年末に100万円を投資していれば、何もせず放置していただけで2019年末には416万円になっていました(18年で4.16倍)。年平均利回り8.3%です。こんなに高い利回りを出せる投資先を私は他に知りません。

これが私がVTIに投資する理由の一つです。

注意

VTIは万能ではありません。とてもハイリスク・ハイリターンなETFです。(全米の市場平均とはそういうものです)

単年で見ると、2008年の年間リターンは-37%でした。

このくらいの下落に心が耐えられるかどうか、つまり自分のリスク許容度の範囲内かどうかを、投資する前に確認しておく必要があります。

VTIへの投資のやり方についてはこちらの記事をごらんください。

妻の顔

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東証一部上場企業に勤める平凡なサラリーマン(営業職)35歳。妻あり子無し。結婚数年目。世帯年収は約1,000万円。20代に国内株で失敗経験あり。初心者やアクティブ運用に疲れた投資家にインデックス投資をおすすめする。Twitter @obuchi35kara

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