あっちゃんの米国株インデックス動画で語られなかった、2つの大切なこと【初心者向け】

2020/06/28

知識・ノウハウ

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オリラジのあっちゃんが自身のYoutubeチャンネル『中田敦彦のYoutube大学』で先日、米国株インデックス投資に関する動画を投稿しました。

こちらの2つです。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

小淵の率直な感想では、米国株インデックス投資に関して、うまくまとめられているなあと思いました。

(おそらく彼が想定しているであろう)メインの視聴者層である"投資未経験者"や"投資初心者"に向けて、短い時間の中で非常に簡潔・明確に要点をおさえているなあと感じました

なによりトーク力のすごさに素直に感心して視聴しました。

小淵の顔
小淵
(おぶち)

しかしながら、です。

妻の顔

え、なになに??

しかしながら、どうしても補足説明しておかなければならないと思った点が2つあります。

あっちゃんの動画では、視聴者を混乱させかねない点が1つと、まったく説明が抜け落ちていた点が1つあるのです。

今回はそれらを説明します。この2つの補足の意味を知らないままでは、インデックス投資をうまく運用できなかったり、継続できない可能性があります。

この記事で、この動画をきっかけに米国株インデックス投資を始めようとしている方より深く正しい知識をつかんでいただければ幸いです。

複利の力を得られるのは"配当再投資だけ"ではない

「配当を再投資したら複利になる」

中田氏はそう発言しています。

間違いではありません。確かに株式を保有することで配当金収入が得られ、それを再度その株式の購入にあてることで、"複利の力"の恩恵を受けることができます。

配当が出ないファンドを紹介している

ところが彼が動画の全編をつうじてオススメしている2つのインデックスファンドは、配当金(分配金)がまったく出ないものです

いったいどういうことでしょうか? 実は、彼が紹介したふたつのインデックスファンド

楽天・全米株式インデックス・ファンド

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

では、ファンドの中で分配金を再投資しています。われわれ個人投資家がなにか手を動かして「配当再投資」をおこなうことは無いんです。

「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の目論見書を見てみましょう。

このファンドは、楽天がわれわれ個人投資家からお金をあつめ、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に投資するものです。

※そのため「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は「楽天VTI」とよばれたりします。

VTIは分配金が出ます。それを「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の中でVTIに再投資しているんです。(SBI・バンガード~の方も同様です)

どちらを購入しても、それを長い間ずっと持ってさえいればちゃんと複利の力の恩恵を受けることができます

中田氏は、分配金がまったく出ないファンドを紹介しておきながら、「配当を再投資する」という話題に触れました。そのせいで混乱した視聴者がいたことと思います。

とはいえ彼は間違ったことを言ったわけではありません。ちょっと説明不足だっただけで。結果的にちゃんと複利の効果を得られるファンドを紹介しています。だからなにも問題はないんですよ

配当がすべてではない

そもそもこの2つのファンドは、分配金というよりもむしろ値上がりの伸びを期待するファンドです。

「アメリカの経済全体は長期的に見てずっと成長してきている、だから今後も伸びていくはずだ、その恩恵にあずかりたい!」という目的で持つファンドです。

配当金(分配金)重視の投資信託ではないんですね。

そしてここで"よくある誤解"を指摘しておかなければなりません。

複利の力の恩恵を得るには配当再投資だけが唯一の方法ではない、というシンプルな事実です。

私がTwitterで多くの投資家の方と情報交換する中で、投資初心者の方の中には、配当をもらわなければ複利の力がはたらかないと思っている方がかなりいらっしゃることがわかってきました。

その"誤解"についてはこちらの記事で解説していますので、気になる方は読んでみてください。

とうわけで上記の2つのファンドは、ファンド内での配当再投資による複利だけでなく、"値上がり益の複利の力"も両方はたらいています

まとめると、中田氏が紹介している2つのファンドは、

分配金はファンド内で再投資されている

分配金の多さよりも値上がり益を期待するファンドである

値上がり益にも複利の力がはたらく

ということになります。結論として、どちらも安心して投資先に選んでいいと考えます。

リスク許容度

米国株式インデックス投資においては超重要であるにもかかわらず、中田氏の動画では語られなかったことがあります。

それは、株価の騰落が非常に激しいハイリスク・ハイリターンな手法であるという事実と、リスク許容度についてです。

この章では、次の点について確認していきます。

米国株式インデックス投資をしていると自分の資産が急激に増えたり減ったりするのを経験する

リスク許容度は人それぞれ違う

リスク許容度に合わせて投資スタイルを考える

下落と上昇をくり返すアメリカ経済

たとえば直近だと、2/20に「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は基準価額13,472円をつけました。

その後、新型コロナウイルス感染症の流行や原油価格暴落に対する社会不安から、大暴落いわゆるコロナショックが起こり、3/24に8,717円をつけるまで下落しました。

この落差、実に-35%です。

もしも2/20にあなたが「楽天・全米~」を100万円分持っていたとした場合、3/24には評価額が約65万円にまで減ったことになります。

小淵の顔
小淵
(おぶち)

我が家もこの下落をもろに受けたね。

妻の顔

うん。

約600万円あった資産の評価額が400万円を割ったよ。

※我が家は投資信託の「楽天・全米~」ではなくETFのVTIを保有していましたが、値動きはほぼ同じです。

しかし、6/26現在では基準価額11,816円までもどってきています。

米国株式インデックスは(S&P500インデックスも同じ)、このように大きな下落と上昇を繰り返します。

2007年から始まったサブプライムローン危機に端を発する大暴落では、最大-53%ほど下落しました。そしてもとの株価にもどるまで3年以上かかりました。

このように、米国経済には山と谷が何度もおとずれます。しかし、それを乗り越えて長期的に上昇してきたのです。そして今後もその上昇が続くと期待するのが米国株式インデックス投資です。

CAUTION

インデックス投資は基本的に、下げたから売って上げそうだから買うというタイミング売買をくり返すものではありません。そういうやり方ができれば確かに効率的ですが、"普通の人"は的確にタイミングを読めませんので、「ただずっと持っている」が正攻法です。

自分のリスク許容度を知る

株価や基準価額の上下変動の幅の大きさのことを投資においては「リスク」といいます。

こちらの記事も参考にしてくだい。

そして、「どのくらいのリスク(特に下落)に自分の心が耐えられるか」の尺度をリスク許容度といいます。

むずかしい説明ははぶいて、何を考えればいいかをずばり言いましょう。

「資産の評価額が-35%下落するのに自分は耐えられるか?」

「資産の評価額が200万円下落するのに自分は耐えられるか?」

と自分に問うてください。定量的な話ではありません。自分の心の問題です。%や金額を変えて自分に問うてみてください。

耐えうる最低のラインが、あなたのリスク許容度です。

リスク許容度は人それぞれことなります年齢や生活環境によって変化もします。他の誰かに決められるものではありません。

そのため投資家全員が、投資行動を起こす前に自分のリスク許容度を把握する必要があります

中田氏の動画ではこの部分がまったく語られませんでした。

リスクをコントロールする

リーマンショックでは-53%、コロナショックでは-35%。このくらいの暴落がだいたい10年に一度くらいの頻度でおとずれています。

自分のリスク許容度を考えて、たとえば-35%くらいならなんとか耐えられるけど-53%なんて絶対ムリだ! という人はどうすればいいでしょうか。

投資できる資産を500万円用意していたとして、たとえば全額を投じて「楽天・全米~」を買ってしまうと、次にリーマンショック級が来たとき評価額が250万くらいになってしまいます。リスク許容度の-35%を超えてしまいました。

下落幅をコントロール(リスクをコントロール)して-35%程度におさえるには、簡単なやり方としては現金を残しておけばいいのです。

証券口座に500万円を入れたら、「楽天・全米~」を購入するのは300万円までにしておきましょう。200万円は現金で残しておくのです。

――さてリーマンショック級が来て、300万円が150万円になってしまいました。しかし現金200万円は目減りしませんので、証券口座の資産評価額は150+200=350万円となります。

証券口座全体で見れば、500万円が350万円になったわけですので、下落率は-30%で済みました

このように、米国株式インデックスと現金の比率を調整することでシンプルにリスク管理することが可能です。

かならずしも全額投資(フルインベスト)しなくてよいのです。

まとめ

ここまでで、あっちゃんの動画に対する補足として以下の点を学べたかと思います。

紹介された2つのインデックス・ファンドは、分配金をファンド内で再投資している。

これらは配当再投資というよりも値上がり益の複利の力を期待するものである。

自分のリスク許容度を知る必要がある。

米国株式インデックスと現金の組み合わせでリスクを管理できる。

あっちゃんの動画は、250万人以上のチャンネル登録者をはじめ、いったい何人の人に米国株式インデックス投資の魅力を気づかせてくれたか、その影響力ははかりしれません。

しかし、短い時間の中に本当に最低限の情報をつめこんだばかりに、ちょっとだけ重要な点がもれてしまいました。

動画とこの記事の内容、両方を知ったならもう怖いものはありません。

投資の門出に立った方たちへ

投資はあくまで自己判断です。あなたのお金に責任を持つのはあなた以外にいません。

ネットの世界では、投資についてのいい情報が無料で手に入ります。その一方、インデックス長期投資のさまたげになる悪い情報も氾濫しています。

あっちゃんの動画はいい情報だと思います。私の情報も、いいものだと自負しています。

玉石混淆の無数の情報からいいものだけを見つけ出すのはとても難しいです。

インデックス投資について体系的に学びたい方は、水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』を1冊読まれることをおすすめします。

動画にも出てくるジェイエル・コリンズ『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』でもいいでしょう。

これらの本に出てくる以外の情報で、絶対に知っておかなければならないインデックス投資の秘策は存在しません。

インデックス投資は、やるだけならとても簡単です。難しいのは続けることです。

長く継続するには、ネットや粗悪な本からのノイズを排除することと、リスク許容度を越えない範囲で投資計画を立て、その計画を逸脱する行動をとらないことが大事です。

妻の顔

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東証一部上場企業に勤める平凡なサラリーマン(営業職)35歳。妻あり子無し。結婚数年目。世帯年収は約1,000万円。20代に国内株で失敗経験あり。初心者やアクティブ運用に疲れた投資家にインデックス投資をおすすめする。Twitter @obuchi35kara

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