投資では「どれだけもうかるか」より「どれだけ損するか」の方が大事です【リスク許容度】

2020/07/21

基本中の基本 知識・ノウハウ

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マイケル・バトニック著『ビッグミステイク』に、このような記述があります。

壊滅的な損失を避ける最善の方法は、投資を始める前に、自分が耐えられる損失の限界を決めておくことだ。

下落率でも、絶対金額でもいい。

そうすることで、恐怖や、ポジションに対する感情的なこだわりよりも、ロジックに基づいて意思判断できるようになる。

マイケル・バトニック『ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ』から引用

これは、投資においてはあたり前のことであり、特に、投資を始めようとしている段階の方にとってとても重要です。

投資では「どれだけもうけを出すか」よりも、その投資で「どれだけ損をするか」を考える方が重要であると、楽天証券研究所の山崎元さんも著書で言っています。

今回の記事では、投資におけるリスクについてと、リスクを軽減する簡便な方法を紹介します。

※米国株式インデックスを例に説明していますが、その他の投資先でも基本的には同じです。

リスクのことを考えずにすでに株式投資をはじめてしまったという方も、今から軌道修正すれば大丈夫です。

リスクとは? リスク許容度とは?

リスクとは?

株式投資における「リスク」とは、簡単には値動きの幅のことです。

こちらの記事で簡潔に説明しています。

正確には、期待リターンからのブレの大きさです。

全米株式インデックス(例えばVTI)の長期の期待リターンは約8%です。ブレ(リスク)は20%と言われています。

※期待リターンもリスクも、計測する期間などによって変わります。

リスクは標準偏差ですので、全米株式インデックスの値動きは、約68%の確率で-12%から+28%の間を動きます。

約95%の確率で-32%から+48%の間を動きます。

これが投資におけるリスクの意味合いです。

期待リターン8% ± 1標準偏差(20%)= -12% ~ 28%

期待リターン8% ± 2標準偏差(20% ✕ 2)= -32% ~ 48%

※約68%の確率で1標準偏差の間に、約95%の確率で2標準偏差の間におさまるというのが、標準偏差の基本的な考え方です。(正規分布の場合)

リスク許容度とは?

リスク許容度とは、自分の心がどれくらいのリスクに耐えられるかという尺度です。

リスクは値動きの幅(ブレ)のことですので、どれくらいの高騰・暴落に耐えられるか、ということです。

高騰しすぎて耐えられない! という人はあまりいませんので、ふつう下落側のリスクだけを考えます。

全米株式インデックスは、

-12%下落することはめずらしくありません。

-32%下落することはまれですが、一生のうちに何度か経験してもおかしくありません。

と、こんな言い方をすることができます。確率ですので、「ウン年に1回かならず起こる」と言い切ることはできません。

金額におきかえて考えてみましょう。

100万円を全米株式インデックスに投資した場合、

評価額が88万円になることはめずらしくありません。

評価額が68万円になることはまれですが、一生のうちに何度か経験してもおかしくありません。

このように、自分が投資する予定の金額に下落率をかけて、絶対金額をみちびきだすこともできます。

実際に、投資対象の期待リターンとリスクから、下落する可能性を計算しましょう。

そして、下落率や絶対金額ベースで、自分の心がどこまで耐えられそうか、想像してみてください。それがあなたのリスク許容度です。

リスク許容度は人それぞれですので、他人に聞いてもわかりません。年齢や年収で決まるものでもありません。自分の心が持っている、ストレス耐性や恐怖心で決まります。

リスク許容度を知らずに投資をするとどうなるか

リスク許容度を把握せずに投資をして、思わぬ暴落に直面すると、自分のストレス耐性・恐怖心の限界ラインを越えてしまうことがあります。

そうすると、冷静なときにはとらないような思わぬ行動をとってしまいがちです。本当は長期保有しようとしていたのに、含み損に耐えられず売ってしまったりなど。(狼狽売り・パニック売りなどと言います)

投資計画をくるわせ、たいていのばあい資産運用のパフォーマンスを下げることになるので、避けなければいけません。

リスク許容度の把握は、自分の投資方針を守り、資産形成を遅らせないために必要なのです。

リスク軽減の簡単な方法

例えば、あなたのリスク許容度が-10%だったとしましょう。(-10%の下落までならあなたの心は落ち着いていられるということ)

上で見たとおり、全米株式インデックス投資では、-10%の下落はふつうに起こりえます。

-10%におさえるごく簡単な方法は、現金をクッションとして合わせて持っておくことです。

このような保有比率を設定します。

全米株式インデックス(VTIなど) 30万円

現金 70万円

合計資産評価額 100万円

全米株式インデックスが、2標準偏差の最下限、-32%まで下落してしまったとしましょう。

すると、あなたの証券口座の中身はこうなります。

全米株式インデックス(VTIなど) 20.4万円

現金 70万円

合計資産評価額 90.4万円

リスク資産である全米株式インデックスは下落の影響をモロに受けましたが、無リスク資産である現金はそのままです。

注目すべきは、合計の資産評価額です。

100万円が90.4万円になり、資産全体として-9.6%の下落で済みました。自分のリスク許容度-10%の範囲内です。

現金がクッションとなり、資産全体での大幅な下落を下げられたのです。

当然リターンも下がる

リスク資産の保有比率を下げたことで、当然、資産全体の期待リターンも下がります。

さきほどの例で、2標準偏差の中でもっとも高騰した場合を考えてみましょう。

全米株式インデックス(VTIなど) 4.4万円

現金 70万円

合計資産評価額 114.4万円

30万円が48%上昇しましたので、44.4万円になりました。

ところが現金70万円はふえませんので、資産全体で114.4万円。14.4%の上昇にとどまりました

このように、リスクを低減することはリターンも押し下げることとなります。リスクとリターンは比例の関係ですので、このようになるのです。

投資において重要なのは、リスクの方です。まず自分のリスク許容度をしっかり把握し、それに合わせてリスク資産と無リスク資産の比率を決めるのが定石です。

リターンはあとからついてくる、もしくは、リスクと資産配分を決めた結果のおまけ程度に思っておくのがあるべき姿です。

リターンを優先に考えると、たいていの場合リスクを大きく取りすぎます。そうすると、リスク許容度を越える局面が頻繁におとずれ、いずれパニック行動を起こしてしまうでしょう。

投資方針からぶれることは投資のパフォーマンスを下げるので、結局、リターン優先で立てた投資計画がよくなかったということになります。

妻の顔

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東証一部上場企業に勤める平凡なサラリーマン(営業職)35歳。妻あり子無し。結婚数年目。世帯年収は約1,000万円。20代に国内株で失敗経験あり。初心者やアクティブ運用に疲れた投資家にインデックス投資をおすすめする。Twitter @obuchi35kara

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