一括投資=全額投資 だと思っていませんか?

2021/09/28

基本中の基本 知識・ノウハウ

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こんにちは、小淵(おぶち)です。

Twitterの株クラスタにいると、インデックスファンドでパッシブ運用している人の中で、「一括投資はこわい。だから私はドルコストをやる」もしくは「~だから積立をやる」「~時間分散をやる」という意見をたびたび見かけます。

一括投資をこわいと思うのは、「一括投資=全額投資」と勘違いしてしまっているからではないかと、私は想像しています。

一括投資とは単に、投資に回せるお金があるならば、時間分散せずに一度にリスク資産を買ってしまいましょうね、という意味に過ぎません。

持っているお金を一度に全部使いなさいということではないんですよ。

※そういう意味で一括投資を勧めている人もいるのかもしれませんが、それは普通ではないと思います。

そこで今回は、一括投資と全額投資の違いを明らかにし、じゃあどうすればいいのかについて改めて確認したいと思います。

資産配分×時間

投資の成果は「資産配分×時間」で決まります

※銘柄選びや売買タイミングのたくみさ、情報収集の早さ・うまさなどではありません。

自分のお金をより長い時間、リスク資産の状態で露出しておくことで、市場の成長の恩恵を最大限受け取ろうとするわけです。

資産配分とは、(大胆に定義すれば)自分のお金を無リスク資産(現金など)とリスク資産(証券など)とに分けて管理・保有することです。

さて一括投資についてですが、まとまったお金を一度に、値動きするものに変えてしまうのが「こわい」という気持ちがわくのはわかります。

その「こわい」気持ちを調整するのが資産配分です。自分のリスク許容度に合わせて現金と証券の比率を決め、それを保つようにすればいいんです。

自分が「こわくない」と思う資産配分を自分で決めればいいのです。難しいことではありませんよ。

具体的に考えてみよう

無リスク資産を現金、リスク資産を全世界株式インデックスファンドとしましょう。

全世界株式インデックスファンド(時価総額加重)は、かなり悪いときで半値(-50%)くらいに下落する可能性があります。

あなたの心は、資産全体でマイナス何%くらいの下落に耐えられそうですか。-50%まで耐えられそうなら、フルインベストメントでいいでしょう。「現金:インデックスファンド=0:100」の資産配分を持ちましょう。

そんなに大きな下落に耐えられないですか? -20%くらいですか。

では、現金とインデックスファンドとで、最悪の-50%の下落がおとずれても保有資産全体が-20%に収まるように調整しましょう。

つまり、その場合「現金:インデックスファンド=60:40」の資産配分を構築すればいいのです。

もっと具体的な数字で

あなたは今、投資を始めようとして、手元に500万円を持っているとします。(生活費や生活防衛資金をのぞいた残りの余裕資金)

これを、先ほど決めた資産配分の比率「現金:インデックスファンド=60:40」となるように一括投資しましょう。

あなたがやるべきことは、

証券口座に500万円を入金する。

インデックスファンドを200万円分買う。

これだけです。

証券口座内に、300万円の現金が残りますが、そのままでいいんです。(「買付余力」や「預り金」などと表現されるかもしれません)

これで、「現金:インデックスファンド=60:40」の資産配分が完成しました。

一括投資と全額投資の違い

ここで200万円を一度に使いましたが、これが一括投資です。

この200万円を何ヶ月もかけて分割して買ったり500万円全部を使って買ったりしないでください。

前者は、無駄な時間分散です。「資産配分×時間」の「時間」を味方につけることを放棄してしまっています。もったいない! 一刻も早く、決めた資産配分を完成させましょう。

※「買ったあとに大きく下落したら高値づかみしたことになる」? そんなことは考えなくていいです。買わずに現金を残しておいた結果、逆に上昇していったら? 資産がふえるチャンスを逃すことになります。「下落するかもしれない」という淡い期待をいつまで持ち続けますか? 上昇すると思うものを買うんでしょう?

後者こそ全額投資です。これでは自分にあった資産配分になっていません。リスク資産にフルインベストしてしまっており、あなたにとってリスクの取りすぎです。

一括投資と全額投資はまったく違うということがわかりましたか。おまけに、時間分散に意味がないことをわかっていただけましたか。

このあとどうすればよいか?

あなたがサラリーマンなら、きっと翌月お給料をもらうでしょう。生活費を差し引いたあと、余裕資金として10万円投資に回せるお金ができとします。

そうしたら、次にやることは、

証券口座に10万円を入金する。

インデックスファンドを4万円分買う。

これだけです。

結果、あなたの証券口座の総資産は、現金306万円、インデックスファンド204万円となりました。(合計510万円)

計算してみてください。「現金:インデックスファンド=60:40」の比率が保たれていますよね。

※実際はリスク資産部分は変動しますので、こうきれいにはいかないと思います。その場合は、10万円の振り分け方を調整するなどして、結果的に60:40となるようにすればいいんですよ。

こうやって、自分のリスク許容度に合わせてあらかじめ決めた「現金と証券の比率」をずっと保つのが投資です。

毎月のこの購入操作が面倒なら、積立設定してもいいでしょう。

※積立とは、面倒な作業を「定期定額」で自動化するという意味しかありません。別に手動だっていいし、「不定期」でも「不定額」でも何も問題ありません。お給料が少なかったり、臨時収入があるときだってあるでしょう。資産配分を守ってさえいれば何だっていいんです。

また、半年や1年くらい続けていると、当初決めた資産配分から大きくずれてくることがあります。その場合は、インデックスファンドの比率が大きくなりすぎていたら売却し現金の比率が大きくなりすぎていたらインデックスファンドを購入しましょう。

そうやってたまーに(年に1度か2度でいいでしょう)、もともと決めた比率に戻していきましょう。

※この行為をリバランスといいます。

補足

今回紹介したやり方は、決して「小淵が考え出した秘密のメソッド」ではありません。インデックスにパッシブ運用するための、広く知れわたっている正攻法です。

「平均分散モデル」「トービン分離定理」「CAPM」「ブラック・ショールズ方程式」「効率的市場仮説」「行動ファイナンス」などの一連の証券投資理論、金融技術にもとづいて体系化された、理論と実績に裏付けされた方法です。

それぞれの研究の過程を完璧に理解できずとも、現代ではありがたいことに、少なくとも「実践」は完璧にできるのです。そしてこの方法は、われわれ「普通の人」が資産形成するのにもってこいです。

実践を完璧にするために注意点があるので最後に追記しておきます。

リスク資産を何にするか

広い市場で

時価総額加重平均の

低コストな

株式インデックスファンド(投資信託)1種類

でいいです。必然的に、全世界インデックスファンドやか全米インデックスファンドになります。S&P500でもいいでしょうが、NASDAQ100だと市場としては狭すぎるでしょう。

過去の平均リターンを比較検討する必要はありません。

投資信託でもETFでも大差ないのでどっちでもいいです。

2種類以上持つ必要は特にありません。

資産配分をどうするか(現金比率をどうするか)

リスク資産の下落幅と自分のリスク許容度から、簡単な算数で算出できます。こちらの記事で解説しています。

全米株式インデックスファンドの「ほぼ最大下落率」を-50%とし、これと現金との2種類でリスクを調整するとき、

あなたのリスク許容度が -T%の場合、あなたの資産配分における理想的な現金比率C%は、100から2倍のTを引いた値にしましょう。

計算式であらわすと: 
理想的な現金比率C(%)
100 -(2 ✕ T)

※ただし、Tは50を超えない。

リスク許容度は人それぞれなので、結果の数値は人によって変わります。

買うときの株価を気にしない

安いときに買いたいと思う気持ちはよくわかりますが、その努力はまず報われません。

なぜなら、株価変動を予測できる情報があったとしても、あなたがそれを知るより先に世界中の機関投資家が入手しており、それにもとづいてすでに売買されているからです。

あなたが他の全投資家を出し抜いて安値をとらえることは、運以外に無理です。どんな価格でも、今の株価が常に適正と思った方がいいです。努力が報われないのなら、コスパを考えて、別の戦略(株価を気にしない)をとるのが賢い選択です。

売らない

資産形成が終わるまでは、売りません。

特に「今バブルの頂点だと思うから」とか「フェアバリューを越えており適正価格に戻ることが予想されるから」といった情報をもとに、リターンを上げる目的で売却しないでください。

売るのは、お金必要になったとき。それだけです。

今すぐ使う予定がないのなら、売らないほうが運用成績はよくなります。

インデックスファンド以外に手を出さない

個別株や流行のセクターの投資信託、高配当株や高配当投資信託。こういったものをリスク資産に加えないでください。

保有資産の時価総額比がくずれて、最適なポートフォリオでなくなります。つまり資産形成が遅れます。

「高配当株で定期的に現金が手に入ってうれしい」という意見をよく聞きますが、現金が必要なら、「投資に回さないこと」で工面してください。

次のキーワードを忘れましょう

以下のキーワードのことをまったく考えなくても、資産形成は成功します。

時間分散

銘柄選定

売買タイミング

チャート分析

ファンダメンタルズ分析

ドルコスト平均法

こういったことに力を注ぐ時間を減らして、資産形成は「資産配分×時間」にまかせて、人生を豊かに過ごすのがいいと思います。

さいごに

本記事で述べたことは、私 小淵が実践していることでもあります。

我が家は「現金:インデックスファンド=0:100」の資産配分で、リスク資産部分はVTI1種類です。

※投資信託の「楽天VTI」は中身がETFのVTIなので、トータルで時価総額加重がくずれていないことになります。

※私は-50%を超える下落を受け入れられるので、現金ほぼゼロにしています。

※楽天VTIはつみたてNISAで購入しています(定期定額)。ETFのVTIは、不定期不定額で買っています。

言うだけじゃなく実際にやってもいるということを知っていただけたら、手前味噌ながら、参考になるのではないでしょうか。

Twitterでは日々投資に関することを(それ以外のことも)つぶやいています。 そちらものぞいていただけたらなおうれしいです。

また本記事を書くにあたりこちらの資料を参考にしました。倉澤一孝(2014)『ノーベル経済学賞を受賞した証券投資理論』山梨学院大学現代ビジネス研究、第7号、35-41

妻の顔

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東証一部上場企業に勤める平凡なサラリーマン(営業職)35歳。妻あり子無し。結婚数年目。世帯年収は約1,000万円。20代に国内株で失敗経験あり。初心者やアクティブ運用に疲れた投資家にインデックス投資をおすすめする。Twitter @obuchi35kara

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